2013年10月27日

平中が侍従の君に懸想した話

神社.gif今昔物語にこんな恋のお話がある。

昔、兵衛の佐平定文(すけたいらのさだふみ)通称を平中(へいじゅう)と言う人がいた。
人品賤しからず、容貌風采麗しく、一等級の美男、とてももてた。

その平中が出入りする本院の大臣、藤原時平の屋敷にいる侍従の君と呼ばれる女房の噂を耳にする。
眉目容姿、心ばえすぐれ、とてもステキである。というのである。

天下の美男が噂に恋をするのである。
当時の上流階級の男達は、うわさに恋をするのが当たり前だったようである。

恋文を送ったが返事をくれない。
ますます恋心はつのるばかり。
「せめて、私の手紙を(見た)という、その見の字、たの字の二文字だけでもいいから返事をたまわれ」と書き送った。

さすがに返事が来た。  
心ときめかせて返事をみると、そこには自分の送った手紙から破りとって紙に貼り付けた(見た)の二文字があるだけだった。

「ええい、やめたやめた、これできっぱりあきらめよう」とも思ったが、やはり心がしずまらない。
ますます乱れて治まらない。

・・・心乱れる雨の夜、真っ暗な夜。
「ああ、こんな雨の夜に訪ねてゆけば心が動くのではあるまいか」と思い、真っ暗な雨の降りしきる中を本院に向かうのであった。
posted by 敏文 at 02:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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