
特に昔の白黒時代にさかのぼるとシルエットをとらえるのが美しさを捉える為の一つの法則でもあったわけだが最近はシルエットの中に何が潜んでいるか想像力を働かせることに人類は怠け者に退化しているようである。
ユージン・スミスの少年少女が木陰を抜ける写真が頭の隅に定着しているのだがあれは美しい。
カラー映画でもケン・ラッセルの「恋人達の曲」の中のワンカット、シルエットの木陰を馬車が抜けるシーンが忘れられない。 もちろんチャイコフスキーの音楽に乗ってである。
特に困ったと思っているのは以前書いたか知れんがNHKの新日本紀行をデジタル復元した画像を見たときであった。 美しいシルエットの木々や家屋に色がほどこされている。 ご丁寧に影色でなくノーマルな色が付いているのである。 これは著作権侵害以上の犯罪行為である。 悪いと知らずにしているところがなおさら悪い。 ついでに私の口癖無粋と怒っておこう。
アニメの場合はわざわざ暗く塗る訳だから明るい色に復元されたら見るも無惨である。
押井守作品はいずれデジタル復元に会うとずたずたにされてしまう事だろうが、私の作品など関係ないから知らん顔しておこう。
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